2012年 2月18日・19日
ミュージカル「アンネ・フランク」の舞台はおかげさまを持ちまして
好評のうち無事終演いたしました。
多数のご来場ありがとうございました。
たくさんのアンケートやメッセージ、ありがとうございました。
メッセージから
A様より
内容があまりに深く知られているだけに、地味に終わるか?
盛り上がって終わるか? 盛り上がって終わりましたね。
関西で実績済みのアマチュア?の役者をオーディションで選んでいるだけあっ
て、演技、ダンス、間の取り方、申し分なかったです。
アンネの心情の変化が『希望』から『失望』、
最後に『もし、神様に生きることを許されるなら、私は立派に世の中に役にた
つ人間になります』印象的でした。
歌は…
脇に固める方の歌唱力が良かった。
舞台転換がかなり、大変なようで前半、それが見えました。
メッセージ
B様より
徐々に追い詰められ、恐怖が支配してゆく様はまさにプロローグ。
これから始まるストーリーを物語っています。
学級シーン。明るく楽しく、やんちゃな様子がアヒルの歌とタップダンスでみずみずしく描かれていました。
息をひそめろの歌、続いて軍服登場。早くも不穏な雰囲気。それにしても皆さんビシッと揃ってて気持ちいい。
台詞終わりの瞬間に暗展となり、次の場面へ転換するパターンが多かった。
マンネリとはならず、逆に安心感持って見られた。「同棲中~」とか「勘弁なら
ん!」とか、ギックリ腰の場面もそうだった。
アンネの話は暗く地味な印象があるが、空襲の場面、連行される場面など、緊迫した場面が短く鋭く繰り広げられ、圧倒された。
夢の中のバレエは象徴的かつ暗示的。
この後のアンネの歌は難しそう。更にこの後の二重唱はもっと難しい。当然、録音対応だよね?
隠れ家ではラジオや机の独り占めを巡ってイライラが増してくるが、そんな大人の身勝手をギリギリまで我慢している
アンネの気持ちが身振りと声でよく表現できていた。
後半に入り、セント・ニコラウスのお祝い場面。前半冒頭の賑やかなお祝いと見事に複線が張られていて、ホッとした。
理知的で献身的なミープ役、ずばりはまってましたね。安心して観てました。
ハンナが投げた配給を横取りされる場面。
様々な逸話がぶら下がっている忠臣蔵は脚本家の意図や上演時間によっていくつかの逸話が割愛されたり誇張されたりするけれど、アンネの話も同様。
このハンナとの逸話を省略せずしっかり描いたということから、今回の脚本家の強いメッセージを感じたよ。
それはどんな悪の前でもいたわり合う友情がある一方で、何も悪くないユダヤ人でも寒さと飢えの前では他人の食料も強奪する人間に変わってしまう。
則ち、ナチスが行った迫害はそれほど悪なんだ、ということですね。
隠れ家が見つかる場面、列車で運ばれ、家族が引き裂かれる場面、強制労働の場面など、リアルで素晴らしい。
姉妹のバレエは象徴的。主役級は何でもこなすんやなァ・・・
その他、細かい部分まで作り込まれていて楽しめました。
壁のスイッチ切ったら半照になるなど、裏方さんの仕事も大変だし、年月を示すスライドに古いフィルムを見ているような縦のキズが入っているところ
最後に幕が降りたとき、隠れ家の入口の本箱にスポットが当たっているなど、しびれる演出でした。
※メッセージありがとうございました。
まだまだ手を入れなくてはいけない作品だと思っております。
精進いたします。これからもみなさまのご声援、
よろしくお願いいたします。
e-stage 村崎
現在日本の各地で、アンネ・フランクのパネル展が展開されています。
その展示のために大阪・高槻市の高校生たちもパネル作成などの仕事を
してくれました。今回オランダ アンネ・フランク財団のステファン氏が来日、
その活躍してくれた高校生達、そして現在パネル展で協力されているNPO法人の
アイアーンの代表の方、高槻市カトリック教会のアデリノ神父、e-stage.com代表が
一同に会し会談いたしました。
なぜ今 アンネ・フランクなのか
アンネ・フランクの舞台のもとになる「アンネの日記」は、1942年から1944年まで第2次大戦下、ドイツ軍の圧政を受けていたオランダの隠れ家に身を潜めていた家族の中のわずか13歳の少女がつけていた日記です。そこには、ナチスドイツの差別や
圧迫を受けながらも確実に成長し、よりよく生きていこうとする少女の姿があります。
ですが、その隠れ家もナチスの手により発覚、住人全員が捉えられ、強制収容所へ
連れて行かれてしまいます。そこは強制労働、食べるものも水道、トイレすら
ほとんどない、死を待つだけの収容所だったのです。
やがてアンネやその家族、同居者たちも息絶え、アンネのお父さんだけが
強制収容所をソ連軍が開放したときまで生き延びていたのでした。
やがてお父さんは隠れ家に戻り、残されたアンネの日記の存在を知ります。
彼女の遺志を組み、彼はその日記を編集、世に出したのでした。
やがてこの日記は世界中に広まり、読まれるようになります。
しかし、最近では若い人たちの活字離れ、またそう言った文学に触れる機会も
少なくなり、「アンネの日記」を知らない人たちも多くなりました。
アンネのお話は過去のこと、しかも外国のこと、そう思っている方も
いるかもしれません。
しかし、世界のどこかで戦争は起き、差別は残っているのです。
日本だけがいつまでも大丈夫と思っているのではなく、平和で自由な
世の中というのは、ひとりひとりが願い、そういう世の中であるように努力して
いかなくてはならないのではないでしょうか。
いつまでも平和で自由な世の中。それを願い、過去の歴史的事実を
知っていただきたい、それを繰り返さないように、その事実を知って
今後を考えていただきたい。そんな思いでこの作品にのぞみます。